黒石 連載 SOULJAPAN

男道 〜黒石高大が男を見る映画と本〜 第四回

コラム 4月 14, 2017 No Comments

『あの子は親がいないから』

オレは家庭環境が良くない。

片親で20になるまでの3分の1くらいしかオカンと過ごせなかった。

からかってくる奴にやり返す

ちょっと反抗する

それだけで

『あの子は親がいないから』

大の大人がガキ相手に

よくもまぁ、そんなこと言えたな。

 

 

子供の頃の学校ってそこが

全てじゃん。

今思い返してもしんどかった。

先生に同級生の親達

何かあれば最後はいつも

『あの子は親がいないから』

悔しくて泣きたくて

悔しくて

でも泣きたくないから「親関係ねぇ」ってツッパればまた

『親がいないから』

関係ねぇだろ、オレはオレ。

言われるたびに

「早く大人になりたい」なんて思ってた。

 

 

今思い返しても悔しくて涙がでる。

泣いて帰れば心配される。

学校行きたくないって行っても休ませてもらえない。

どーしていいかわからず

全力でツッパッて戦うしかなかった。

 

 

でも

そんなオレに味方してくれる先生が何人かいた。

今でも感謝してる。

だから

そーゆー弱い立場の人間を

同じ思いした俺ならきっと守れると思ったから

意外と思うだろうけどオレは教師になりたかった。

 

 

ただ、

ツッパる事に必死になりすぎて道はそれた(笑)。

その頃喧嘩の弱いオレがあこがれてたのは

弱気を助け強気をくじく任侠道だった。

限りなく任侠道に憧れて

先生になることなんていつの間にかどーでもよくなっていった。

 

 

現実的には俺はこうして格闘技やって引退して今俳優をやってるんだけど

小説の世界では任侠道を歩みながら教育者をやる物語がある。

『任侠学園』

任侠道と学校の話、好きにならない理由がない。

 

 

『任侠学園 』 著者:今野敏 出版社:中公文庫

日村誠司が代貸を務める阿岐本組は、ちっぽけながら独立独歩、任侠と人情を重んじる正統派のヤクザだ。そんな組を率いる阿岐本雄造は、度胸も人望も申し分のない頼れる組長だが、文化的事業に目のないところが困りもの。今回引き受けてきたのは、潰れかかった私立高校の運営だった。百戦錬磨のヤクザも嘆くほど荒廃した学園を、日村たちは建て直すことができるのか。大人気の「任侠」シリーズ第二弾。(「BOOK」データベースより)

 

 

物語の中盤で生徒を注意した(強めに)主人公に対し後日保護者が詰め寄ってくるシーンがあってさ

『あの躾もなにもできてないガキどもはこういう親に育てられてできあがるわけだ』というくだりがある。

躾。

これって大切だと思うんだよね。

オレも親はろくでもないけど

一緒にいる時は頑張ってたと思うし

身内も頑張ってたし

先生も頑張ってたと思うし

お国の機関もそう

おまけに先輩達の暴力で支配された教育ねっ()

当時はどれも嫌だったけど

今となっては感謝してる。

大人になっても「ヒデーなこの人間」って思う人多いもんね。

友達でもそう

家族ならなおさら

いーやいーやの関係だめでしょ。

男道以前に“人として”が出来てなきゃ話しにならないからね。

 

 

この物語は共感するところが多くてさ

主人公のヤクザが生徒と本気で向き合う姿を見て

これってオレがいつも考えてる事だなって思う。

子供だから生徒だからじゃなく

本気じゃなきゃ人なんて変えられないし動かせないし

その人間に本気で接しなきゃ

本気で返してくれないでしょ

写し鏡

人ってそうだと思うから

オレはいつも本気。

 

 

それと主人公と校長の

『正しいことをしているという自信があるのなら、堂々としていればいいんです』と

『昔はよく言われたものです。恥を知れってね』

っていうくだり。

堂々としてる人、カッコいいよね

間違ってないって自信があるから堂々と出来る。

恥ずかしくないって自信があるから堂々と出来る。

でも間違ってるのに堂々とすると恥を知らずで情けなく見える。

いつも間違ってないって自信持ってるからオレはどこ行っても胸張って生きてる。

かっこいい漢になるために。

 

 

そして一番好きなセリフが

『身内のために体を張るのがヤクザだ』

このセリフ大好き。

ヤクザだからとか関係なく

家族の為、仲間の為、女の為、組織の為

身体張れるのが男だとオレは思う。

世の中、口だけ番長だらけっ。

デカイ事言うがいざとなれば知らんぷり

勝つ負けるそんなのはどーでもいい。

誰かのために腹くくって身体かける。

それが男道。

覚悟があって

行動で示せるかどーか。

男は男らしく

男は大切な人のために身体張る

任侠道には

弱気を助け強気をくじく

覚悟がある

だからカッコいい。

 

 

ラストシーンは俺も涙出た。

任侠道を歩む男の教育現場での振る舞いを痛快に描きつつ

最後に涙出る素敵な作品。

最初から最後まで

必ずある男道。

男ってこーでなきゃ

大人ってこーでなきゃ

日本人ってこーでなきゃ

人間ってこーでなきゃ

そー思わしてくれる作品です。

この連載も3回目まで死に様のメッセージが強かったかな。

4回目になった今回は生き様を。

 

 

 

みんな本は苦手かもしれない。

ただ、この本はすらすら読める。

騙されたと思って読んでみてください。

粋でカッコいい漢になろーぜ。

一緒に。

 

 

※今回初めて小説を紹介しました。送ってきてくれた写真は桜の下でスーツ。やたらかっこいいけど、本の表紙がかわいいのでちょっとウケますね。 次回もお楽しみにしててくださいませ。

 

 

気に入ったらSNSにシェアしてください!




SOUL Japan editorial dept

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です